昨今、「未経験からフリーランスへ!」「フリーランスで月○○万円稼げるようになりました!」と謳う広告やSNSの投稿をよく見かけるようになりました。
今の働き方にモヤモヤしている方や、「もっと自由に、自分のペースで働きたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
私自身、デザインの学校を出たわけでもなく、新卒では事務職として働いていました。
それでも、デザイン関係の仕事への憧れを諦め切れずに、現在はWEBデザイナー兼マークアップエンジニアとしてフリーランスで活動しています。
この記事では、そんな私がどうやって今の働き方に辿り着いたかという『リアル』なお話を、これからフリーランスを目指す方や、働き方を見直したいと考えている方に向けてお伝えしていきます。
こんなパターンでフリーランスになった人もいるんだな、と、何かしら参考になれば幸いです。
経歴
夢を遠回りした学生〜社会人時代
子どもの頃から絵を描くことが好きで、絵やデザインに関する仕事に就きたいと長年思っていました。
絵やデザインに関する専門学校へ進学したいと考えていたのですが、親の期待もあり関係のない一般の大学へと進学しました。
漫画家やイラストレーターに本当はなりたかったのに…というくさくさした気持ちの中でやる就活がうまくいくはずもありません。
そして就職氷河期というのもありなかなか内定をもらえず、最終的には全く関係のない不動産会社の事務職へ就職しました。
その会社が肌に合わず、何時間残業しても片付かない業務の山に心身ともに疲弊し、数年で退職を決意してしまいます。
それからしばらくは、フリーターとして短期アルバイトを転々としていました。
フリーター生活からの再決意、職業訓練校へ
20代前半〜半ばの大切な時期にこんなフラフラしていていいのか?と毎日悩む中で、やっぱりデザインに関係する仕事を志したいと強く思うようになります。
私の学生時代は個人で小さなホームページを作って趣味が近い人と交流する文化があり、ほんのわずかですがHTMLの知識があったので、「WEBサイトを作る」という職業があることを知ってからはWEBデザイナーへの憧れを募るようになりました。
当時はまだオンラインスクールが活発ではなかったこともあり、職業訓練校で学ぶことを決意。
前職を退職してからギリギリ1年以内に決意したため、退職手当を支給されながら訓練校へ通うことができました。
厚生労働省のQ&Aページにもある通り、退職後に雇用保険を受給できる権利の有効期間は、原則として離職日の翌日から1年間と定められています。
雇用保険の受給を希望する方は、退職後1年以内に必ず手続きを済ませましょう。
職業訓練校では3ヶ月ほど、教科書に沿ってHTMLやCSSの基礎を学びました。
最後のカリキュラムでは架空のカフェやお花屋さんのホームページを作りましょう、という課題があり、授業では習っていないWEBフォントやbxSliderを独学で使い本格的なサイト作りをしたら周りに少し引かれました。(笑)
振り返ると、当時からさまざまな技術を調べて「WEBサイトってこんなことまでできるんだ!」という感動を覚えそれを使った表現を色々と試してみたいという好奇心が強くて、それは実務においてもとても役に立っていたと思います。
これはかなり大事なのですが、WEB制作の仕事では、ディレクターであれデザイナーであれコーダーであれ、常に新しい技術やトレンドにアンテナを張り続けていく意識が必要です。
憧れのWEB制作の世界へ
職業訓練校を修了してからは、再び「WEB制作の仕事に就く」という目標に向けて就職活動を始めました。
訓練校で学んだとは言え、実務経験ゼロの私を採用してくれるWEB制作会社はなかなか見つかりませんでした。
ですが、創業1年ほどの新しいシステム開発会社に運良く採用されることとなりました。
WEBアプリケーションの開発をしている会社でしたので、WEBデザイナーを雇えばUI・UXを整えられるのではないかという理由での採用だったのですが、WEB制作業界への熱意を買っていただけました。
まずは自社の公式サイト制作から担当することになりました。
さらに、私のスキルを活かすためにWEB制作部門そのものを立ち上げてもらい、未経験ながらチームリーダーまで任されることになったのです。
少人数の会社だったこともあり、営業の仕方や案件の取り方なども一緒に模索しながら進めていく毎日でした。
他にWEB制作の経験者がいなかったため、仕事の流れを一から構築し、ディレクションからデザイン、コーディング、納品、運用方法にいたるまで、すべて手探りで整えていきました。
未経験から熱意だけで飛び込んできた新米社員にここまでしていただいて、当時の会社には本当に感謝しています。
一見、かなりイレギュラーな経緯かもしれませんが、そんな私でもフリーランスとして独立することができました。
フリーランスとして独立
新しく立ち上げたWEB制作部門でリーダーとして仕事を任せてもらい、やりがいもありながら忙しく働いていたある日。
当時お付き合いしていた婚約者の関東への転勤が決まったことで、私は会社を退職して結婚、九州から関東へと引っ越すことを選びました。
正直、その頃の職場もかなりハードな環境で、体力的にも精神的にも限界が近づいていたタイミングだったので、転勤は「立ち止まってこれからの働き方を考える」いいきっかけにもなりました。
「会社に所属しない働き方」には不安もありましたが、これまでの経験を活かせる可能性があるなら挑戦してみたい。
勢い半分、覚悟半分で開業届を提出し、こうして私はフリーランスとしての第一歩を踏み出しました。
独立してからのダイジェスト
- 確定申告って何…?開業届も出し忘れ、ぐだぐだなスタート
- ぐだぐだなまま失業手当をもらい損ねる…
(※条件を満たせば、フリーランスでも受給できる場合があります) - 仕事がない!クライアントからの振込がない!!月収0円の月も…
- 少しずつクライアントが増え、ありがたいお言葉をかけてもらえるように
…など、初めてのフリーランス生活は、まさに手探りと試行錯誤の連続でした。
これからフリーランスを目指す方にとっては、おそらくここが一番気になるところかもしれません。
次回の記事では、独立後に実際にやってきたこと、ぶつかった壁、そこからどう立て直したかついて、より具体的にご紹介していこうと思います。
「フリーランスになる前に知っておきたかったこと」を、失敗談も踏まえてお伝えします!